龍の薬膳part2 食中毒
2023.07.12
夏の養生 ③食中毒
九州を始め、全国各地で記録的な大雨による被害が報道されてます。被害に遭われた方、またその関係する皆様にお見舞い申し上げます。早く日常の生活に戻られることを心より望んでおります。
さて、雨による蒸し暑さ、雨の後の猛暑で心配なのが食中毒です。朝作って、少し余ったからあとで食べようと思って置いておいたら数時間後には少し臭うかな?って思うことがあります。このような季節、食品の取り扱いは特に気を付けていらっしゃるとは思いますが、まずは、口にして「おかしい?」と思ったらすぐに吐いてうがいをしてください。しかし、食べた時は気づかないけど後から気分不良になった場合は、とにかく出せるものはだして(嘔吐、下痢)その後は身体を温めて安静にしてください。そして当面食事は摂らずに絶食することも胃腸を休めるのに必要です。食中毒とは、飲食物に混じった細菌・自然毒・化学物質によって腹痛、吐き気、下痢、嘔吐、発熱などの症状を起こすことです。原因となるものを食べてしまったらすぐに吐くことが大切です。吐けない場合は食塩水を多量に飲んで人差し指と中指で舌根を押さえるようにして吐くと良いでしょう。吐いたあとは休んで安静と保温を心がけ、下痢が止まるまでは絶食しましょう。喉が渇くときは常温にした水や温かいお茶で水分を充分に摂ってください。ただし、食後10時間以上たってから症状が現れた場合は大至急病院へ行きます。その際、嘔吐物や食べ残しをビニール袋に入れて持参すると診断の手助けになります。食中毒は日頃の注意で予防することができます。食べ物、とくに肉や魚介類は5度以下の冷蔵庫で保存し、食べる前にはよく加熱調理すること、また、調理器具の熱湯消毒、ネズミ・ゴキブリの駆除も食中毒を防ぐうえで大切です。
食中毒予防の薬膳~ シソの葉の煎じ汁
しそには魚やカニの毒を中和させ、食中毒を予防する働きがあります。刺身のつまにシソが使われているのもこのためです。お、薬用としては緑色よりも紫色の物が最上です。食中毒には新鮮なしその葉を食べても有効ですが、ショウガや厚朴(ホオノキの生薬)、甘草と一緒に煎じて飲むとさらに効果的です。
レシピ:しその葉30g、ショウガ18g、厚朴6g、甘草6gを適量の水で煎じて飲む
※厚朴や甘草は漢方薬局やインターネットで購入できます。
吐きたくても吐けない時~生あずきの粉末
食中毒の時は原因となった食べ物をすぐに吐いて体外に出すことが大切です。吐きたくても吐き出せない時はあずきが効果的です。
レシピ:生あずきを粉末にし、1回5g程度を服用すると吐くことができます。
強い殺菌力をもつ~ショウガの煎じ汁
原因となったものを吐いてしまったのに吐き気が止まらない時はショウガの煎じ汁で吐き気を抑えることができます。
レシピ:ショウガ5g、半夏(ハンゲ:乾燥させたカラスビシャクの根茎)5gを600mlの水で半量になるまで煎じ、1日3回に分けて飲むと吐き気が治まります。
また、吐き気が回復したのち、食欲がない時はショウガのしぼり汁を飲むと食欲が回復します。
食中毒におすすめのその他の山野草 吐き下しに~梅干し
梅干1個を600mlの水で半量になるまで煎じて飲むと効果的です。梅肉エキス(自然食品店などで購入可)も同じ効果があります。梅肉エキススプーン半分程度の量を、水で薄めて飲みます。梅酢を杯1~2杯飲んでも良いでしょう。
食中毒による胃腸の痛みに~ヨモギ
ヨモギの粉末スプーン半分程度を水やぬるま湯に溶いて飲むと効果的です。
~上記記事は、「普及版 食べて治す医学大辞典」を参照しています。